#01.川上くんは情熱的な告白をします。

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 間近に見る川上さんは、ぞくりとするくらいに妖艶だった。つやっぽく笑った川上さんは、やさしくわたしの頭をかき抱き―― 「――それ以上、なんか言ったら、もっと――桃花のこと、塞ぐから」  とくんとくん、と、固く締まった彼の胸に頬を預け、高鳴る鼓動を聞きながら、わたしは、自分の運命から逃れられないことを悟る。  ――こうしてわたしは見事川上さんに陥落した。  *
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