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#01.川上くんは情熱的な告白をします。
「……ほれ、
別におれは、手を繋ぎたいとまでは思っておらんが、そんな目をされてはな。
惑うな。さっさと手をよこせ」
そう言って奪うようにわたしの手を握る川上くんは……耳がすこし、赤くて。わたしのこころをこそばゆい気持ちにさせた。――わたしをこんな気持ちにさせるのは、世界中で、あなただけ、なんだよ。……川上くん。
「おれに合わせて無理に速く歩こうとしなくていいから」前を向いたまま川上くん。「あんまり、……可愛い顔、そこらへんのやつらに、振りまくんじゃねえぞ」
わたしはくすくすと笑って、頷いた。「……はい。分かりました」
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