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 結婚式の数日後、学生時代に何度かあったことのある彼女との幸せそう写真が送られてきた。その後続けて友人が結婚したことを思い出した。  早い奴ならもう子供だっているはずだ。そんな年齢になってきているのだと改めて思う。  俺の前に座る友さんをちらちらと誰なんだと佐藤の雄弁に物語る視線に苦笑した。 「俺の上司なんだよ」  そう応えてやれば納得したのか大きく頷き頭を下げた。 「ああ、真田がお世話になってます。俺、佐藤です」 律儀に挨拶をした佐藤に笑いがこみ上げる。学生時代ならいざ知らず、今は友さん側にいる俺の為に向けられる言葉。 「初めまして。清藤です」    にっこりと爽やかな笑みを佐藤に向ける友さんは上司の顔だった。 「いいなぁ、真田。こんなイケメンさんが上司なの?俺んとこなんでゴリラマッチョばかりだぜ」  ゴリラマッチョってなんだよ。工場勤務の佐藤の上司はガタイがいい人ばかりということか。こいつのことだから可愛がられているに違いないけど。  とりあえず友さんと二人にしてほしいと会話を終わらせるように勧める。 どう考えたって友さんが蚊帳の外になってしまうのは目に見えてる。 「そうなんだ。今回は時間がないからまたゆっくり帰ってくるから、その時は連絡するよ」 「おう、待ってるわ。それじゃな」  友さんに頭を下げた佐藤が口を開いた。 「清藤さん!口数は少ないけど良い奴なんで、真田のことよろしくお願いします!」 どこかの体育会系のノリで声を張り上げ佐藤は人懐っこい笑顔を向けた。 驚き戸惑った友さんはただ頭を下げ、俺を見て苦笑する。 狭い店内のどこに向かうのかと思うほど、佐藤は何度も振り返り大きく手を振った。 「面白い……友達だね」 じわじわと笑いが込み上げるのか、友さんは口元を押さえている。 「あいつ、容姿にコンプレックス持ってるけど性格は良い奴なんだよね」 成人男性の平均身長にも満たない小柄な佐藤だけど、いつも明るく人の機微に敏感なやつだった。 「人懐っこくて、誰からも好かれそうだね」 「まあね」 グラスを口に運びながら笑みを漏らす友さんは、何かを噛み締めるように満足そうな表情を浮かべていた。  
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