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股を割って滑り込ませた身体に友さんの足が絡みついた。
笑い終えた瞳は揺らりと濡れていた。
シーンと静まり返った部屋はさっきまで友さんの笑い声で溢れていた。
それは俺の心を溶かしてくれるような温かく満ち足りた空間になったことで嫌な静けさじゃない。
覗き込めば、しっかりと視線を絡ませて、伸びた腕は首に回り、自分の元へと引き寄せる。
俺はそれに抗わずゆっくりと体の隙間を埋めて唇に辿り着いた。
合わさった唇はどちらともなく舌先に触れ、深いものへと導かれる。
混ぜ合うように舌を絡ませれば友さんの掌が背中を這いゾワゾワと痺れるような感覚が身体を包み込みそれが俺は好きだった。
友さんの掌はとっても気持ちがいい。
離した唇は銀糸を引く。そのまま首元に顔を埋め舌を這わせれば甘い吐息が漏れた。
胸の突起を甘噛みし、もう片方を爪先でグリグリと呼び起こしていく。
手を伸ばし枕元に忍ばせた潤滑剤を掌で温め、友さんの秘部に塗りこんだ。
何度も蕾の回りを愛撫すればヒクヒクと待ち構えるように痙攣し、俺の指を飲み込んだ。
「……はぁっ、んんっ……」
しなやかに腰を逸らし、甘美な声を上げ
、タラタラと蜜が指に伝ってくる。腹につきそうな程もたげた中芯を緩く抜く。
指で届く最奥まで差し込んでゆっくりとギリギリまで引き抜き、同時に掴んだ芯を追い込むようにスピードを上げた。蜜を垂らす先端に誘われるように口付けを落とし、迷うことなく昂るそれを口に含んだ。
友さんは独りで自慰はしない。終わった後の虚しさはそばに居ないこと実感し寂しさが増すからだと。
それは俺を愛した証。男の生理現象なのだからスッキリすればいんじゃないか。それは意に反すると友さんは言った。頑ななその姿は、また愛し合う為の願掛けのように思えた。
だから俺は、友さんの分身を必ず愛撫するんだ。その昂りを更に頂上まで。
そして、俺は友さんの中で頂上を目指す。
他から見れば滑稽なことなのかもしれない。
これは今後友さんが女を抱くことはないこと。俺は友さんしか抱かないことへの、なんの約束もない契りだと思ってる。
女しか愛したことの無い俺達が、同性であっても惹かれ合い求め合った契り。
なんの確証も約束もない。
ただいつまでも愛し合う為の契りなんだ。
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