日常

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日常ってなんだろう。 ふとそういうことを考えた。 「何げない日常を大切にしなさい。」 この言葉がいまいちピンとこなかったことがきっかけだったのかもしれない。 今、自分は何気ない日常を大切になんかできていない。 それは子どもの頃に思い描いた日常が今の自分の現状と大きくかけ離れているからだ。 子どものころは当たり前のように学校に行っていた。 病める時も健やかなる時も。 それが自分の「仕事」だったから。 社会人になればもっと日常が色鮮やかになる理想を抱いていた。 ずっと通っていただけに過ぎない学校という場所が会社という場所に変わる。 新しい環境、経済的、社会的に自立すること たくさんの刺激を胸に自分の「日常」がもっと煌びやかになるはずだと信じていた。 そんな砂の城のように脆く、ドロップキャンディのように色鮮やかな自分の思い描く「日常」は社会という国民が全員で支える力強い枠組みによって簡単に崩れていった。 自分はその枠組みの中で生きていく強さをどうやら持ち合わせていなかったらしい。 そうして自分は社会から外れた。 枠組みから離れた日々は思ったより大変なものだった。 少し気分の良い日は散歩をする。ピアノを弾く。こうやって文章を書いたり読んだりする。 ただ、どうしようもなく辛い日は昼まで寝る。 趣味のピアノも読書も創作もままならずただひたすらに気持ちの波が鎮まるように祈りながらベッドの中で沈んでいる。 そうして寝過ぎて寝付きが悪い夜をどうにかこうにかやり過ごす。 最近はそんな日々が続きつつある。 ただそんな中で一つ気がついたことがある。 自分がふと日常について思いふけったのは不健康な日々が続き、 「常に心が健やかでいられる日々」 が愛おしくなったのだろうとこの文を書いてて思い直した。 そんなわけで、日常とは 「日々が常に健やかであること」 の略と定義することにした。 そんな日々を大切にしようという心がけは忘れてはいけないと改めて思ったのです。
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