陽だまりのように

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 祖母から昔話を聞き終えた稔は、泣くまいと頑張っても、涙が止まらなかった。そして、貴子自身も、静かに泣いていた。 「だから一太君は、僕が困っているときに、すぐに助けてくれたんだ……。」 「ええ。きっと一太君は、私達をずっと見守ってくれていたんでしょう。私達が困ったときに、すぐに手を差し伸べられるように……。」  そしてきっと、外で遊びたいという夢を、稔と遊ぶことで叶えたのだろう。 (稔君、泣かないで。そして、貴子ちゃんの事、宜しくね。)  背後から一太の声が聞こえたような気がして、稔は急いで振り返った。しかし、そこには誰もいない。ただ、陽だまりのように温かかった。
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