陽だまりのように

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「ねえ、何してるの?」  しばらく泣いていると、後ろから声をかけられた。振り向くと、自分よりも少し年上くらいの少年が、心配そうに顔を覗き込んでいる。 「トンボを追いかけていたらね、おうちが分からなくなったの。」  稔は泣きべそをかいたまま、その少年の質問に答える。しかし、少年は安心させるような笑顔を彼に向けた。 「君、貴子おばさんのお家の子だよね? 僕、帰り道知ってるよ。一緒に帰ろう。」  そして少年は、稔が落ち着くのを待ってから、手を繋いで帰り道を歩いた。
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