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それから二人は、互いにケラケラ笑いながら、思う存分遊んだ。鬼ごっこやかくれんぼといった、一人ではできない遊びができて、一太も満足そうだ。
しかし、それから一時間後。しとしとと夕立が降ってしまった。稔と一太は、互いに目を見合わせる。
「一太君、雨降っちゃったね……。」
「そうだね。やむまでの間、ちょっと雨宿りしていよっか。」
そうして二人は、近くの木の下で雨宿りを始めた。
「ああ、あの時も夕立が降っていたなあ。」
一太がぽつりと呟く。何故か、どことなく寂しそうだ。
「あの時?」
「ああ、いや、何でもないよ、稔君。」
一太は、何かを誤魔化すかのように、ふんわりと微笑んだ。
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