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「一太君。今日はありがとう! また一緒に遊ぼうね!」
稔がニコニコしながら手を振るが、一太は複雑な笑みを浮かべている。まだ若干降っている夕立のせいで濡れてしまっているが、ちっとも気にしていない様子だ。
そして、そんな一太の様子に気がつくことなく、稔は家の中に入ろうとする。そんな稔の背中に向かって、一太は静かに呼びかける。
「稔君……。貴子ちゃんのこと、宜しくね。」
稔が振り返るも、もうそこには誰もいなかった。また、夕立も完全に降り止み、夕焼けと共に綺麗な虹が架かっていた。
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