陽だまりのように

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「おばあちゃん、今年のお盆も来たよ!」 「あら、大きくなったねえ。子供の成長は早いわあ。」  小学一年生の山本(みのる)は、出迎えてくれた祖母貴子に笑顔で抱きつく。お盆の時期に、祖母の家に泊まりに行くのが彼とその両親の習慣であり、稔は祖母に会えるのをずっと楽しみにしていた。  だが、楽しみなのはそれだけではない。都会っ子の彼にとっては、珍しい昆虫、採れたての野菜といった、田舎ならではの物に触れ合えるのが、毎回楽しみでしかたがないらしい。 「おばあちゃん! 僕、向こうの畑まで遊びに行ってくるね!」 「いってらっしゃい。日が暮れるまでには帰ってくるんですよ。」 「はーい!」  稔は着いて早々、虫が沢山いる裏の畑まで走って行った。
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