様々な恋愛事情

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 睦月は女性特有のハイヒールを履いたすらりと綺麗に伸びた脚が好みだった。爪先に重心がかかることでふくらはぎに筋肉が盛り上がり、それに対してむちっと柔らかそうな太腿がスカートの奥まで伸びているその存在が堪らなく好きだったのだ。  とはいえ、どんな子が好きかと聞かれれば「綺麗な脚をした子が好き」その程度だった。  初めて千愛希に出会った時、一目でその脚に釘付けになった。今までモデルのように細く綺麗な脚をした女性は何人かいた。その度に「おっ!」と少しテンションが上がる程度だった。  けれど、千愛希のは違った。今まで見たどの女性よりも細く、長く、美しかった。パンプスと一体化されたような無機質にも見えるその脚にひどく興奮を覚えた。それでいてこの美貌と頭脳だ。睦月が夢中になるまで早かった。  そんな千愛希と念願叶って付き合うようになり、千愛希を抱いた睦月。ずっと焦がれていた理想の脚を堪能し満足感を得た。加えて、触れている内に普段はパンプスの中に隠されていたはずの爪先を見た途端、思わず射精しそうになった。  自分でも困惑するほどに、ストッキングに包まれた赤いペディキュアの爪先が性的興奮を煽った。長時間仕事でパンプスを履いて蒸れた足が特に気になった。美しい千愛希の綺麗でない部分が、自分だけが知ることのできる味や匂いが堪らなく好きになった。 「ねぇ、睦月……汚ないから嫌だよ……」  足趾の間を舐める度、恥ずかしそうに抵抗する千愛希の姿に興奮した。高揚感が止められず、下着の中で射精してしまうことすらあった。
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