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糖度150%、スパイス多め
3月15日 月曜日
律は自室でうるさく鳴るスマートフォンを手にとった。【桐生璃空】の名前を確認すると、連絡するのを忘れてた、と目を細めた。
先日、蓮から電話があったばかりだった。浮気相手であり璃空の妹の七海と結婚する話はだいぶ前に聞いたが、今回は叶衣の妊娠と璃空との挙式をするという話だった。
なんでそんなおめでたいことをお前の口から聞くんだ、と思いながらも純粋に璃空と叶衣においては祝福してやりたい気持ちがあった。
ただ、引っかかるのは蓮の結婚のこと。あの蓮が責任を取る形で結婚をするのか……とうっすら考えてみたが、腑に落ちかなった。おそらく、叶衣との繋がりを手放したくないのだろう。そう思ったら、どこまでも執着する姿が睦月と重なって見えた。
蓮から連絡がきた時は、ちょうど千愛希の動画やらハッキングやらで律も忙しかったために璃空に連絡を入れていなかったのだ。
千愛希と上手くいっていなかった時、そっとアドバイスをくれたのも璃空だった。あの時の璃空の言葉がなければ想いを伝えず千愛希は離れていってしまっていたかもしれなかった。
本来ならば礼の1つでも言わなければならないというのに、すっかり睦月のことも解決して毎日千愛希と連絡を取れるだけで有頂天に達していた律はそのままにしてしまっていた。
昨日もホワイトデーということもあり、日曜日を朝から共に過し、改めて美しいダイヤのネックレスを贈った。
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