糖度150%、スパイス多め

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 律は顔を歪めて「もっと他に言い方あるでしょ」と息をつく。 「律も似たかよったかだと思うけど。まあ、上手くいったならよかったんじゃない?」 「うん。叶衣にも色々ヒントもらってさ。考えさせられたからお礼言っておいてよ」  律は、叶衣と電話した時のことを思い出していた。千愛希が印象を変えた時、それとなく女性の変化について伺った。叶衣は、好きな人には可愛くなったって思われたいのは当然だと言ったが、あの時の律は意味を履き違えていた。  今になって思えば、千愛希の好きな男とは自分のことで、その想いに気付いてほしい一心で彼女なりに努力していたのだとわかる。  叶衣の言葉は、この上ないヒントだったのにもかかわらず、あの時の律には千愛希の想いに気付けなかった。叶衣との電話でもしそのことに気付けていたなら、あんなふうに泣かせることもなかったし、傷付けることもなかった。易々と守屋家から1人で帰宅させることもなかったと後悔した。  結局は、璃空と叶衣の両方に世話になったことになる。2人の言葉がなければ、こんなに千愛希に対して必死になれなかったかもしれないし、手放してから更に後悔したかもしれない。  璃空にとっても叶衣に対する想いが大きくて、今までにない恋愛体験だったはず。自分よりも先にそれを経験した璃空の言葉だったからこそ、律は素直に聞くことができたのだ。これが他の誰かだったら、そこまで衝動的に動けなかっただろうと確信があった。
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