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「璃空も他人事じゃないよ。この話をしたのは、蓮に気を付けろって言いたかったわけで」
「あー……蓮ね」
璃空は蓮に対しては納得したようだった。
「璃空の妹と結婚するくらいだから、まだ叶衣に未練がありそうだし」
「それは俺も承知してる。2人きりにさせたりはしないよ。今後実家で顔を合わせることになっても。そのストッキングのこともあるしね……聞いといてよかったのか……?」
「ある程度予測するには格好のネタだと思うんだけど」
「肝に銘じておくよ。とりあえず下着類は注意ってことで」
「そういうこと。俺みたいに自らがリスクを負う前に予防することをオススメするよ」
「なるほどね。今後あり得そうなら油断しないようにする。忠告はありがたく取っておく」
「そうしてよ」
「うん。くれぐれも結婚祝い忘れないでよ。この後リスト送るから」
あくまでもねだるつもりかと律は苦笑した。肩を震わせて「わかってるよ。逃げたりしないから遠慮せずにリストに上げるといい」そう言って璃空との電話を切った。
律はソファーの上にスマートフォンを放り投げると、テレビを付けてゲームを始めた。璃空のことだから心配はないだろうが、あの蓮が睦月と同じようなことをすればいよいよ付き合い方を考えなきゃなと思った。
後に送られてきた璃空からのメッセージ。
欲しい物リストの中には圧力鍋、ロボット掃除機、オーブンレンジ、冷蔵庫等々の電化製品と調理器具が並んでいた。律がそれに気付くのはもう少し後になりそうだった。
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