3-7 陽気なメロディ

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 フィドルとギター。二つの楽器の(サウンド)は重なり合っていた。  その音楽は、あたしに木の温もりを喚起させた。 「近くに酒場(サルーン)でもあるんだ、きっと」アイリーンは言った。「やっぱりこの町に、人はいるんだ」 「そうみたい。……死体以外にもね」  音楽に導かれるように、あたし達は前進を続けた。  音楽があたし達を手招きしている。  十字路に出た。  どうやら、十字路を左折した先でフィドルとギターの演奏が行われているようだった。  ついにこの町の人間と遭遇出来る。  あたしは唾を飲んだ。  ドクター・Sその人にはすぐに出会えないとしても、町の人から彼について何らかの情報を引き出せるかもしれない。  まずは聞き込みだ。  どんな強面のアウトロー達が待ち構えていようと、恐怖心に飲まれてはいけない。  あたしにはリボルバーがある。  弾だって、この町に入る前に六発すべて込めた。  いざとなったらこの銃が、あたし達を守ってくれるはずだ。  あたし達は十字路を左折した。 「明かりだ……」あたしが呟く。  通りに面したいくつかの建物の中に、明かりが灯っているのが見えた。
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