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大きな雷が鳴った。
由佳が小さく悲鳴を上げて、夏海の袖にしがみついた。
直美は東山先輩に、ここぞとばかりに抱きついて、東山先輩の腕に、膨らんだ胸を押し付けている。
東山先輩は、それを受けて苦笑いしている。
夕立が神社の森の木々の葉を叩き、社殿の屋根の銅板を叩き、人々の傘を叩いて、さまざまな雨音が幾重も重なり、ざーという音になって、聴こえている。
「お、いたいた。夏海ー」
なんと、宮田屋が傘を持って、夏海たちを迎えに来てくれたのである。
「宮田屋、私の分は無いの?」
直美がそれを見つけて、すぐに言った。
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