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「あ、ごめん。また迎えに来るから」
「そんなの待てないよー」
直美は胸を揺らしてわがままを言った。
「えー・・・」
宮田屋は困って、仕方なく傘を直美に渡そうとする仕草をして、夏海を見た。
夏海は小さく頷いて見せて、直美に譲るという合図を送った。
「じゃあ、これどうぞ、東山先輩も・・・」
傘を開くと、宮田屋と大きく書いてあった。
「もう、最初から私に持って来てよね」
傘を借りてまで、まだ直美は宮田屋に文句を言っている。
「ありがとう」
その時、振り向いた東山先輩が、夏海にそう言った。
夏海は顔を赤らめて、小さく頷いた。
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