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夏海は今年、高校二年生である。
そして、幼馴染の由佳と今年はそれぞれの祖父母たちから、夏らしい薄物を借りて、それを着付けて、しおらしく出かける計画を立てた。
髪は朝から美容室に行って、フィンガーウェーブのかかった、レトロなスタイルにわざとした。
それから初めての本格的な化粧もしてもらった。
「まあ、なんて雅なこと」
和装が好きな夏海の祖母は、その仕上がりを見て、目を細めて喜んだ。
日頃の夏海なら、そんな風に言われれば、きゃあきゃあと騒いで、飛び跳ねて喜ぶところだが、にっこりとして口元を袖で隠して、少し胸を揺らして笑った。
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