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夜には花火が上がる。
それを見物席から観るには、間もなく神社のお参りを済ませておかなくてはならない時分になって来た。
何事も慌てないように、カラオケ大会は途中だったが、二人はまた、参道を北上して行くことにした。
「ちょっといいですか」
神社の大きな鳥居を潜ろうとしていた二人に、声をかける人がいた。
どうやらカメラマンのようである。
「あの、私、地方紙のカメラマンで、こういう者ですが、第25回の夏祭りの取材中でして、よかったら、お二人の写真を撮らせていただけないでしょうか」
カメラマンは、自分の名刺を一人ずつ、それぞれに渡しながら、この鳥居を背景に、二人の写真を撮らせて欲しいと、申し出ているのだ。
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