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夏海は由佳と目を見合わせて、顔を赤くして笑ったが、カメラマンの申し出は、思いの外丁寧だったので、協力してもかまわないと思った。
「はい」
小さな声で、夏海は答えた。
夏海と由佳は、二人で立って、カメラマンは様々な角度から、シャッターを押した。
通りかかる人々は、被写体になっているのは、どんな人かと、二人を覗き見して、みんなが通り過ぎて行く。
「いい笑顔です。少し俯いて‥‥こっちを向いて‥‥いいです」
二人は言われた通りに、ポーズを取った。
朝から美容室に行って、髪をセットして、化粧をしてもらっただけのことはある。
カメラのレンズを向けられながら、二人ともそう思った。
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