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「…おはよ」 俺はいま、大切な人の上にまたがっている。 だけど、その大切な人は、俺の声に反応しない。 「……おはよ、ってば……」 何度声をかけたって無駄だ。 無視されてイライラするはずなのに、その愛おしい寝顔を見て内心ドキドキしている。 「お、おそっちゃうぞ……///」 聞いていないことは分かってる、でも…俺だって、かっこよくいたい。 「もう…知らねーからな……/////」 さっきまで計画していたとうりに進める。ちゅっちゅっと音をたてながら… 「(まず頭にして…それから、まぶた…)」 一つ一つ確認しながらキスをしていく、幸運なことに、楓季は起きない。 「ふ…♡…んんっ…♡」 そんな寝込みを襲う悪いコトをしていると、自分も気持ちよくなってくるわけで。 時々キスにピクっと感じている楓季が可愛く思えた。 「っはぁ…はぁ…よし、次は…」 キスで温まったところで、次はもう少し刺激を… 「ふぅ…ふぅ…♡」 すこーしずつ、ちょっっとずーつ、楓季のきているパジャマのシャツをめくっていく。すると… 「やっば…///えろ…////」 陸上部部長ということもあり、筋肉がキレイに整っている。 下から眺めていくと、上には小さくて目立たない乳首が見えた。 あまりの目立たなさに、自分のと比べてしまう。 「(俺も、あんな形が良かったな…)」 でも俺の乳首がこんなにぷっくりしているのも、ぜんぶコイツのせいだ。 「(お前が、舐めるからいけないんだぞ…///)」 その悔しさを楓季の乳首に表した。 吸って、甘噛みして、舐めて、舌先でチロチロして、の繰り返し。声は漏れてないけど、腰が反っていて感じているのが分かる。 必死になって乳首を食べて、精一杯気持ちを伝えようとする。朝からこんなことするのもおかしいけど、これが俺の愛情表現だ。 「(あ、ぷっくりしてきた…♡)」 でも、不思議なことがひとつ、楓季は全然起きようとしない。 こんなに俺に焦らされて、目が覚めたりしないのか。 もしかして…寝ているフリをしているんじゃ… 「おい…本当はお前、起きてんじゃねーの…?」 無反応。だんだん怪しくなってくる。 「っ、おい!ほんとは起きてるくせに、寝てるフリして!ふざけんなよ!」 すると… 『ふふっ…』 笑っている。起きているのだ。急に恥ずかしくなって、顔が真っ赤になる。 「っ…!//////」 『あれー…このまま俺ん事犯さないの?』 さっきまで寝ていたはずなのに、もう目が覚めていて、俺は頭が回らなくなった。 『ふふ、涼珠気づかなかったんだ。俺、最初から起きてたよ』 「え…?」 『無視してたのも感じてたのも、ぜーんぶわざと♡』 本当に恥ずかしくなって、涙が出てくる。そして、楓季に笑われるんじゃないかと逃げたくなった。 「わざとなら…もういい…!///」 俺は走って寝室の外に出ようとした。でも、 簡単につかまってしまった。 『わざとだから…だよ…』 「へ…?」 『わざとだから、涼珠の可愛い姿が見られたんだよ。』 「な、何言って……おわっ!?」 そのまま腕を引かれて、後ろから抱かれる。 『俺がもし寝たままだったら、涼珠がソンナコトしてるって気づかなかったよ?』 「き、気づかなくて良かったんだけど…//」 まだ恥ずかしいままだ。こんな姿、見せていられないのに。 『ふふ…♡涼珠可愛い♡』 さらにぎゅうっと抱きしめられて、もう爆発してしまいそう。 「やだ、恥ずかしい//////」 ぐずぐずと悔しくて泣く。でもそれも恥ずかしくなって訳が分からない。頭が回んなくてパニックで、自分がしたことも恥ずかしくて… 『…涼珠、泣かないで…落ち着こう』 楓季は俺の頭を撫でながら、肩に額をのせた。 すると、魔法の様に心が落ち着いて、恥ずかしさも無くなっていった。 『俺ね…涼珠が襲ってきたの、すっごい嬉しかったよ。』 「えっ…」 『いつもはあんなツンツンしてるからさ…あんなえっちで可愛い姿、もっと感じてたくなる…』 楓季は突然、俺の首筋にキスをした。 「ん…♡」 『毎日毎日、これくらい甘々ならいいのになぁ…』 甘々なのは楓季の方だ、学校ではしっかりしてるのに… 『はぁ…涼珠、可愛すぎだよ』 だんだん楓季のキスが激しくなっていく。首筋から耳に変わった。 「んぅ…♡かえ…でっ…//」 『…もっとあまあまにとろけちゃえよ…りぃず…♡』 心臓がキュッと締まるのが分かった。あぁ、今日もこんなに甘々でいいのか… 「かえでっ…ずるいぃ…////♡」 俺の好きな、たくさん感じてしまう箇所をたくさん焦らしてまるで媚薬をのんでいるみたい… せっかくの攻めることができた瞬間だったのに、簡単に奪われてしまった。 「また、失敗しちゃった…」 『いいんだよ…涼珠はそのままで』 「?…」 『涼珠の可愛い姿見れんのは、俺だけの特権だから♡』 「……////」 『まぁ、次は最後までシてね…?』 「は、はぁ!?///」 『応援してるからさ、頑張ってね♡』 次は絶ッ対に成功させる。俺だって、攻められてばっかじゃないってとこ、見せてやる。 でも、俺の一番大切な人だ。
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