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1
「許せ友よ。私は傲慢無礼な人間だ。自覚はしているのだ。私の罪は君の考える深さの五七〇倍は深い。ああ、また見栄を張った。馬子にも衣装と言うが、あんなのは嘘だ」
2
「目下の私は低俗だ。他意のない言葉を二重にも三重にも解釈し、存在しない人の影を恐れたりしていた」
3
「祈りは無駄だと言ったのは誰だ? あなたには嘲笑しかできないと言ったのは誰だ? 喜べ! その誰かよ! あなたの説は実証された。事実、私が生きているぞ」
4
「推敲とは、直球勝負の精神を冒瀆するものだ。しかし、それが間違っているとは言いきれない。なぜなら世間には変化球というものがあるからだ。皆、誰でも変化球を持たなければ生きていくことは不可能だ。私は、そろそろ変化球を学ぼうと想う」
5
「自慢とは、常に過去の自分と今の他人を比較し、批評し、過去の自分に軍配を上げる遊戯だ。そのため、この遊戯は厳しく制限がかけられている。法律より強い、倫理というものの残像によって」
6
「趣味とは、常に一定の混乱と例外を引き起こし、とうてい手中に収まらない大きな夢を観させるものだ。他のことと趣味の境目には高い壁がある。そして、壁には一ヶ所、穴が空いている。しかし、その穴に特別な意味はない」
7
「君を尊敬すべきである、という大衆の説について、実は私は賛成なのだ。君には欠点がない。私は君に負けてばかりだ。君は本当に恐ろしい。正確を求めるならば、君に負けてもなにも想わない私が自分の心の中にいることが恐ろしい」
8
「覚悟とは、妥協の結晶だ。私と自分の考え方が一致すれば、全ての面倒な手続きを省略できる。と同時に、独占的な権力によって内容や解釈を変更することができる。これはつまり、自信がないもののための逃げ道である。私はこの道ばかり選んで今に至った」
9
「大声を挙げる者は、常に独り言しか言っていない。自分の生きた主張を殺して加工した上で言うのだ。こんなことをしなくても、生きた主張をそのまま投げ込めば、どこかで理論を理論で洗う大闘争の火ぶたが切って落とされるのにも関わらず」
10
「許せ友よ。私は君より劣っている。ありとあらゆる点で劣っている。私は君と初めて出会った日のことが忘れられない。君は、私を誉め上げた。今こそ私は、君に言いたい。
『あやつり人形とは、拍子抜けするほど楽な仕事だ。永久に終わらない退屈に、ただただ堪えてさえいればいいのだから』」
11
「全て私が悪いのだ。顔の泥をぬぐいとるための努力はする。だから、許してくれ!」
ーー未完
明らかな雑文、気味が悪い。しかしこれも、暗黒史の一頁。
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