6 愛猫捕獲作戦

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 私は再び食事の用意されたテーブルに走った。  そして大きくてトゲトゲのパイナップルを掴み、また走り、 「ホレス!!」 「?」 「ぬんあああっ!!」  彼に向かって投げた。  大きくてトゲトゲのパイナップルを見事にキャッチした彼は、それを怯えて吠え続けるペロのほうに緩やかに投げた。  角度よし。  見通しよし。  私はパイナップルを撃ち抜いた。 「いやあああぁぁぁぁっ!!」  老婦人は絶叫。  でも…… 「ふぅ」  目の前で爆発した果実に驚いたペロは、座り込み、キョトンとしている。  ペロと共に果肉と果汁を頭からかぶったホレスが、声をかけながら接近し、両手を差し出した。ペロは甘えん坊の猫みたいに頭をぐっと下げて、彼の胸元に潜り込んだ。まさに巨大な猫だ。 「ああ……ペロ!!」 「ペロ……?」 「え、ペロ?」  みんなが気づき始める。  尻もちをついた老婦人を支える男、パイナップルまみれのホレスを舐めるペロに戦慄する男、そして私か老婦人をぽかんと見つめる男。  そんな中で父が喝采をあげた。 「よくやった! イーディス!!」  それに同意するように、ホレスがペロを撫で回しつつ舐め回されながら、私に向かい親指を立てた。まばらにあがった拍手が、雰囲気に呑まれたせいなのかなぜか大きくなり、やがて私の名がコールされる。 「イーディス!」 「「イーディス!」」 「「「イーディス!」」」 「「「「イーディス!」」」」  待って。 「イィーーーーディーーーーーーーッス!!」  すごく、微妙な気分。
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