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1話 夏休みは北海道で
北海道の夜7時。東京よりも日暮れが遅い。
今年で私は16回目の夏を過しているのに、時間の流れがどこか合わない気がして、ソワソワする。
見上げると、淡い雨が落ちる曇が、視野いっぱいにある。
紺色に染まって、瞬きする度に黒い色が足され、視界の端々まで広がりながら、夜の帳を見せてくる。
「明日、晴れるかな……でも、暑そうだなー」
私は今年の夏休み、結構最悪で、そして、忘れられない出会いをした──
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