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<登場人物>
⬛︎矢嶋志貴
1913年生まれ。日本人。
一度目にしたものは忘れない記憶力を持ち、十数ヶ国語を自在に操る語学の天才。
白皙の美青年で、その美貌は母譲りで瓜二つといわれる。
父の影響と幼少時の経験から、外交官を志す。
一等書記官として赴任したスペインでは、日本公使館の諜報担当として『桐機関』の運営に携わる。
既婚者で幼い息子がいるが、妻とは早くに死別している。
⬛︎衛藤一洋
1911年生まれ。日本人。
志貴の幼馴染の、海大恩賜組の海軍中佐。
駐スペイン海軍武官としてマドリードで再会する。
柔道道場の三男で、日本人離れした逞しい体躯の美丈夫。
幼い頃から志貴を猫可愛がりしており、頼れる反面少々鬱陶しい兄貴分と思われながらも、年上の包容力で包み見守る。
⬛︎テオバルド・アルヴァ・コルテス
1913年生まれ。スペイン人。
『桐機関』の実行部隊のリーダー。
スペイン外務大臣からの紹介で、日本公使館の依頼を受け、アメリカでの情報網を構築する。
仕事は有能だが軽佻浮薄な、絵に描いたような小麦色のラテン男。
愛嬌のある色男で、出会ったその日に志貴を口説き、唇を奪おうとする。
満場の観客を虜にする、スペイン屈指の花形闘牛士だった経歴の持ち主。
⬛︎梶清一郎
1885年生まれ。日本人。
志貴の父と同期の外交官で、駐スペイン特命全権公使。
中立国スペインでの対米諜報機関『桐機関』設立に奔走し、自身の片腕として志貴を引き抜き現地に赴任する。
部下である以前に、亡き親友の一人息子である志貴に対し、常に過保護気味。
⬛︎ジェイムズ・アスター
1900年生まれ。イギリス人。
政財界に強い影響力を持つブラックウェル侯爵の三男で、世界的な商社の創立者。
矢嶋家とは、家族ぐるみで親しく付き合う間柄。
1942年秋、駐スペイン大使館に参事官として赴任してくる。
志貴にもパブリックスクール時代の旧友にも、言葉の通じない異星人と認識される、唯我独尊の傑物。
■矢嶋周
志貴の父。外交官。
■矢嶋君子
志貴の母。薙刀の名手。
■矢嶋英
志貴の息子。
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