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「ヒィッ、……いやあぁぁッ!」
じゅうっと力強く吸われ、熟れた粘膜が外に引きずり出される錯覚に陥る。実際、わずかに捲れ露出しているのだろう。その状態で、吸い出したものをぬりぬりと舌が嬲る。
「や、やめて、そんなに吸わないで、……アアァッ! 歯を、立てないでッ」
敏感な肉に歯を押し当てられ、短い悲鳴が迸る。込み上げるのは恐怖ではなく、悪寒のような快楽だ。
奥がずくんと疼き、咥えるものを欲した中がきゅうっと引き絞られる。
シーツを握り締めながら、志貴の体が硬直した。訳もわからぬまま高みに押し上げられ、達してしまったのだ。無残な証が生温かい雫となって、とろりと胸に滴る。
「軽くイったな。穴を舐められるのがそんなにいいか。……それにあんた、ベッドの上ではいつもに増して可愛くなるんだな。本当にタチが悪くて──落とし甲斐がある」
ガクガクと腰を震わせる志貴の股から顔を上げ、テオバルドが悪辣な笑みを浮かべる。手綱が切れ、遠慮をかなぐり捨てたかつての飼い犬は、余さず恋人を食らい尽くすと心に決めているようだ。
抱えた両脚をさらに広げ、テオバルドは濡れた後孔に指先を挿し入れた。──それも左右一本ずつ。
浴室で湯が入るように拡げられ、舌で舐め蕩かされたそこは、痛みを訴えることはなかった。それでもいきなり二本で拡げられる異物感は大きく、志貴は息を詰める。
「酷いことはしない、力を抜け」
「で、も……」
「確かめるだけだ、いい子だから言うことを聞いてくれ」
「確かめるって、何を……」
「風呂場は暗くてよく見えなかったんだ、あんたの中の色」
「──何を言ってるんだっ、変態!」
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