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広げられたまま舌を入れられ、体内を舐め回された時も、深く指を入れられ奥を探られた時も、徐々に増やされる指に中を捏ねられ拡げられた時も、志貴は悲鳴を呑み込みながら耐えた。
しかし、はしたない肉体は我慢することを知らず、ようやく満足したテオバルドが舌を引き抜き顔を上げた時には、達したはずの欲望は、再び硬さを取り戻しつつあった。
「──綺麗な穴だ。あれから衛藤は、お行儀よく帰ったみたいだな」
「っ……兄さんは、私を抱こうとしたことはない。いつだって、私を楽にしようとしてくれた。でもそれも、もう──」
頬を上気させたまま、志貴は快楽に潤む目を瞬かせながらテオバルドを見上げ、遠くない未来を告げた。
「きっと私は、兄さんに抱かれる。それでも君は」
「あんたと会うまで、俺は半分死んだようなもんだった」
誠実に見せかけて、その実卑怯な告白は、熱を孕みながらも冷静な囁きに遮られた。
「あんたと──心底欲しいと思う相手に出会って、必死に追いかけて、そんな衝動が自分に残ってたことに驚いた。今俺は、確かに生きている。ただ一人を求めることで。──あんたが、欲しい」
テオバルドが、膝裏に掛けた手にぐっと力を入れた。あられもなく晒された尻の双丘の狭間に、掴んだ自身の欲望の先端を押し当てる。──生々しい、生の証を。
志貴の痴態に煽られ、十分に勃起したテオバルドの陰茎は、殆どの男が劣等感を抱くと思われるほど長大だった。高く反り返る様は優美な大刀だが、相当な太さがあり、とても男の身ですべてを受け入れられるとは思えない。
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