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祖母が亡くなったと知らせると、祖父はさすがに駆けつけてきた。だがなんと、桜井まで連れてきたのだ。俺は、桜井に飛びかかって、思わず殺しそうになった。
幸いというかなんというか、なんとなく事情を察したらしい看護師に止められ、桜井は病院を追い出されたのだが。
存命中はたくさん友人がいた祖母なのに、祖父が勝手に家族葬にしてしまい、葬式は寂しいものだった。なおかつ、あからさまに嘘泣きをしている祖父が白々しく、俺は祖父を改めて憎んだ。
「俺、間違えてたよ。おばあちゃんを楽にするんじゃなくて、お前を死なすようにお地蔵さんに頼めばよかった」
こっそり、祖父の耳元でそう言ってやった。
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