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ふるまい
水はひとり
青いこうべを垂れ
それ以上なにも語らなかった
風はひとり
白い目を伏せ
それ以上なにも語らなかった
水はすべてが無限の密度を持ったとき言葉は生まれるといい
風は魂が最も希薄になったとき言葉は生まれるという
ぼくはどちらも違うと思う
すべては黙するために磨かれた貝殻
本当の言葉は双子のようにトポロジーの果てに眠っていて
きっと動き出す合図を待っているのだ
いつか大地が言葉を揺するとき
言葉たちはいっせいに呪術から解き放たれる
言葉言葉言葉言葉
間違いない
やはり言葉なのだ
言葉は生まれるのではなく
宇宙の創世以来その重みを神に託してきた
今まさにそれらは跳躍し
空間を貫いて響き渡る!
水も風も無限のほとりに腰をかけ
これを受け止めることしかできない
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