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「誰よこのおばさん……」
開けっ放しのドアから、モニターを覗くリカの呟きが聞こえる。俺から見たら、リカだっておばさんだけど。
セールスかな、そう思って目を閉じた俺を、信じられない声が呼んだ。
「大輝! 出てきなさい! 大輝!!」
リカが目を見開いて俺を振り向く。
シーツに押し付けた心臓が、ドクンドクンと跳ねた。
「大輝を出して!!」
まさか……嘘だろ? なんで俺がここにいるって、知ってるんだ?
俺はぐるぐる考えながら、冷や汗の吹き出す体を起こすこともできずにシーツを握りしめた。
その声は間違いなく、うちの母親だった。
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