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部活のない日を選んで、だいたい月に二回。俺は半年間、504号室に通った。会うのはいつも部屋の中で、出される飲み物とお菓子は違っても、そのあとすることは同じ。
「大輝君、好きよ、大好き。もっと一緒にいられたらいいのに」
リカは俺に抱きついていつもそう言うけど、本気かどうかは分からない。
もしかして、最初はあんなだったけど今は普通に付き合ってるつもりなのかな。そう考えた俺は一回だけ、試してみたことがある。
冬休みの前だった。
「もう俺、ここに来るのやめたい。こういうのは、好きな子と、したい……」
リカは怒ったりしなかった。いつもみたいににっこり笑って、小さい子にするように、俺の頭を撫でた。
「そんなこと言われると、悲しいな。私、大輝君と会えなくなったら頭おかしくなって、学校に押しかけたりあの写真ばら撒いたりしちゃうかも」
頭からつま先まで、鳥肌が立った。俺はこの女の奴隷になったんだと、嫌でも思い知った。
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