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綺羅星の恋人5ータイトル未定ー
<1>
「ヘルベルト、何があっても絶対にエルンストを恨むな。いいか、何があってもだ」
「・・ですが」
「私は!・・私達はもう十分、他人の恨みを買った。惨たらしく殺されても、八つ裂きにされても、燃え盛る火の中に生きたまま放り込まれても仕方無い位酷い事だって散々して来た。・・・最後まで騙すような卑怯なやり方だったけど、それでも彼のDNAを受け取る事だって出来たんだ。だから、もうこれ以上を望むべきでは無いんだ」
「しかし!お前が手を汚し続けたあの、あの”仕事”あれは全て彼の祖父とその一族の命令だった!お前はただ奴等の依頼を実行しただけだろう?ならば彼に一分の罪も無いというのはおかしな話では無いのかライアン?」
ヘルベルトの、慟哭にも似た叫びは・・超高級ホテルの金のレリーフが施された、高い天井に吸い込まれて消えた。
そんなヘルベルトの苛立ちにも物ともせずに、ソファで優雅に紅茶を嗜みつつライアンが口を開く。
ちょうど子宮の辺り、下腹部をそっとさすりながら。
「私の祖父ジョナサンは嘘吐きの最低野郎だった。だが、エルンストは違う。彼は・・・愛する者の為に潔く身を差し出す美しい心の持ち主だ。確かに混血ではあるが、彼の血には価値がある。それに、抱かれてみて実感したが・・あの精悍で逞しい身体、美しい身体に引けを取らぬ風貌。そして何より英知に溢れた頭脳。彼はまさしく選ばれたDNAの持ち主だ。私の子の父となるにも彼は相応しい」
立ち竦むヘルベルトの顔が醜く歪み、苛立ちは握りしめた拳からギリリ・・と音となって聞こえて来た。
ライアンは手にしていたティーカップをソーサーに戻し、目を瞑りながら口元に笑みを浮かべた。
「ヘルベルト、こちらに」
ライアンは目を開き、じっとヘルベルトを見つめながら指でくいくいとこちらに来るように促した。
向かい合う様に立っていたヘルベルトは、拳を握りしめたままライアンの前に立った。
「もっと、顔をコッチに」
ライアンが微笑みつつ煽る様に指で誘う。
その表情は何処となく卑猥である。
ヘルベルトが大きな溜息を吐き、顔を近づけたその瞬間。
ライアンはヘルベルトのネクタイを思いきり引っ張り、顔を無理矢理至近まで近づけた。
「・・ねえ、お前の大好きな人を先に汚された気持ちはどうだい?君は十数年もお預けだったのに、年下のエルンストに先越されて、更に種付けまで先越されてさ・・悔しかったりする訳?」
語る声と共に・・耳に極限まで近づいた唇から、吐息が耳に直にかかる。
最後にクスリと笑いながら耳たぶを甘噛みされ・・・。
ヘルベルトの忍耐ももう限界だった。
ネクタイを引っ張る腕を掴み、逆の腕で肩を掴んでそのままソファにライアンを勢いよく押し倒した。
その時テーブルを引っ掛けてしまい、テーブルの上のティーカップがテーブルの上を勢いよく転がって、中に残っていた紅茶をまき散らした。
しかし、もうそんな事なぞお構いなしだ。
「昨晩、この部屋からずっとお前の喘ぐ悲鳴が聞こえて来た。・・お前に引き合わされてもう15年だ。もう15年、目の前のお前を我慢して、我慢して・・俺はじっと叶わぬ恋にこの身を焦がしつつも耐えて来た。その俺への褒美がまさか、あれなのか?あんな屈辱が俺への褒美だと、お前は本気で言うつもりなのか?」
先程までとは打って変わり、余りに切ない表情でライアンを見下ろす瞳は微かに潤んでいた。
ライアンはそんなヘルベルトの顔を包み込み様に両手を添え、天使のような表情で笑った。
「馬鹿だなぁ~。もう私の願いはかなったんだから、この身体はもう全部お前の物だよヘルベルト。もう我慢しなくてもいい、お前の想いは報われたんだ」
その言葉が終わるか終わらぬか位で口が乱暴に塞がれた。
舌は何度も激しく口腔内をのたうち回り、掻き回しながらライアンの舌に絡みついた。
「ん・・、ンふうぅぅ・・」
「はああっ、ふウウウッ・・・・」
「はあぁ・・・はああんッ・・」
「ふうっ・・ふうーっ・・ンんんーっ!」
ヘルベルトの興奮は、かなりの物だった様だ。
脱がす手間と手順にかける時間さえ惜しむかのように、ライアンのベストもワイシャツも乱暴に引き千切りベッドサイドに投げ捨てた。
ズボンも力任せに引きずりおろし、投げ捨てると同時に自身のズボンのジッパーを引き下ろして、充血しまくって臍まで反り返ったモノを膝裏を掴んだと同時に窪みに乱暴に突き込んだ。
「うンあぁ!・・ハハッ、ヘルベルト・・せっかち~」
「うるせえ、散々焦らしやがって!この時をどれだけ待ったと思ってる!」
しかし、それ以上ヘルベルトは動かない。
ライアンと下半身で繋がったまま、焦らす様にずっと口腔への愛撫を繰り返している。
先程までの興奮具合と衝動的な挿入から、普通ならその後の激しい展開に期待してしまう筈。
それなのに、ヘルベルトは挿入時だけ激しくしてその後はお預けのまま・・。
それがどうにも耐え難かったのか、焦れたライアンが無理矢理口を引き離してヘルベルトを睨みつけた。
「ふうぁ・・ねえ、ちょっ・・うわぁ!」
怒りを口にしようとしたその瞬間、ヘルベルトに繋がったままの状態で急に抱き上げられた。
「まあ待ってろ」
それだけを口にするとヘルベルトはまたも、ライアンの口を唇で塞いでしまった。
しかしその時、ヘルベルトはライアンの膝裏を抱えて立ち上がり、何処かに向かいそのまま歩き出した。
恐らく行先はその先のベッドであろうが、スイートであろうこの部屋はかなり広い。
ヘルベルトの歩みの一歩ごとに繋がった窪みに否応なしに負荷がかかり、一歩ごとに熱く滾った肉の塊が喰い込んで来る。
ライアンの窪みはもうぐじゅぐじゅ、我慢汁がトロトロと滴り、今も絨毯や床を濡らしまくっている。
ライアンは堪らずに、切なそうに何度も腰をヘルベルトの腹に擦り付けて”おねだり”をするのだが・・。
「酷い、こんな・・・お預けェ・・」
「15年俺に”お預け”を食らわせた張本人が良く言う」
「だからって・・・!」
「うるせえよ、口塞いでろ」
それでもなお減らず口を叩くライアンを、ヘルベルトはベッドに投げ落とした。
「イッ・・こら、私は妊娠してるんだぞ!何すんだ、もっと丁寧に・・」
「丁寧に扱われたきゃ、今から俺に抱かれる前に逃げろ。今から15年分の清算をするんだ、乱暴に扱わない保証なんて出来っこない」
衣服を乱暴に脱ぎ捨てつつそう冷静に告げる・・・ヘルベルトの表情は、既にしっかり目が据わっていた。
「・・・・ッ」
その表情に恐怖を感じたライアンが微妙に後ずさろうと、身体を動かした瞬間。
ヘルベルトは素早く左足首を掴み上げた。
「へ、ヘルベルト・・うわぁ!」
「もう逃がさねえよ。決まってるだろ」
その反動で反射的に後ろに倒れたライアンにヘルベルトは容赦なく覆い被さり、臍まで反り返った充血しまくったモノをライアンの窪みに突き込み、根元まで一気に沈めてしまった。
「うあああああぁ!」
「この穴が俺の形になるまでハメ倒してやるから覚悟しろ」
その時ライアンは・・あの一撃で既にイッてしまい、ヘルベルトの腹に粘液を吐き出して身体をがくがくと震わせながら果てていた。
しかしヘルベルトはそんな事はお構いなし、間髪入れずにガンガン腰を打ち付けてライアンを責め立てまくる。
秒針と同じ一定の間隔で刻まれる腰の動きが激しすぎて・・ライアンが堪らず悲鳴を上げる。
「ヒイィんっ・・・こ、壊れるッ・・イッたばかり、なのに」
「壊れちまえ。俺の腕の中で全部壊してやるから」
ヘルベルトは昨晩の首筋のキスマークに齧り付き、何度も歯を立てしつこく何度も何度も齧り続けた。
「ぐっ、ふウウッ・・」
ライアンが激痛に顔を歪めながら、へルベルトの背に必死にしがみつく。
しかし余程痛いのか、爪を立てたその手が震えている。
その首筋から赤い鮮血が幾筋も滴り落ちた。
ヘルベルトはその血すら愛おしむかの様に、しゃぶりついて舌で丁寧に舐め取ってしまった。
そして血糊ののべっとり付いた唇でライアンの唇を塞ぎ、しつこく舌を絡めて何度も唇を重ね合った。
「これでお前は俺の物だ。もう誰にも渡しはしない、俺だけのライアンだ・・」
「ああ、漸くお前の物になれた。だから全部お前の物にして、骨も肉の一かけらまでお前の”跡”を付けてくれ。誰が私の”所有者”かを、この身体に刻みつけて。お願いヘルべルト」
「言われるまでも無い」
先程まで止まっていた腰の動きが急に加速した。
結合部からは昨晩の情事の残滓とライアンの膣から生成される蜜、そしてヘルベルトの肉茎が垂らす先走りの粘液とが交じり合った物が・・ヘルベルトの激しい腰の動きに同調するかのようにぶちゅぶちゅと音を立てて、泡立ちながら糸を引いて滴り落ちている。
「アソコが・・・身体中蕩けそう。ふウウウッ・・」
もう何度も絶頂を迎えたライアンが、更なる快感に身体をのけ反らせて歓喜に震えた。
二人の白い肌が紅潮して真っ赤に染まり、掻いた汗がベッドシーツに滴り落ちて二人の身体の形に染みを作っている。
余程気持ちいいのかライアンは既に飛びかけ瞳は虚ろなまま、どうにかヘルベルトにしがみつく事で自我を保っている状態だ。
「す、凄い・・もっと、もっと!一番奥に頂戴、ヘルベルトの全部・・ぶっかけて!」
「ああ、俺のガキもついでに仕込んでやる」
「い、一緒にイキたい・・・ヘル・・ベルト」
涙目でそう訴えるライアンの身体は限界を迎えているらしく、カタカタ震えている。
「待ってろ、もうすぐ・・・・ッ」
ヘルベルトは身体をブルっと震わせたその瞬間、ライアンの一番奥めがけて肉茎を根元まで突っ込んで埋めた。
それと同時に瘤が隆起し、ライアンの奥に熱く滾った粘液が流し込まれた。
その時ライアンは既に絶頂を迎えていて、身体の方は昨晩からの行為で限界を迎えていた。
その為ヘルベルトの脈動を身体の奥で受け止めていた時、もう既に意識は無いに等しい状態だった。
・・・しかし、それはヘルベルトにとっては許されない行為であったのだろう。
失神しかけた恋人を無理矢理起こす為に、胸のピンクの先端をきつくつねり上げた。
「・・ヒィっ!・・ウあぁ・・」
「寝るな。未だこれからだライアン」
「あ・・ウあ・・ハアアァ!お腹、熱い・・アソコが疼いて・・・・ッ」
無理矢理覚醒させられたライアンは朦朧とし、泣きながら小さく耳元で囁く。
「そりゃそうだろ、アルファの体液はお前等にとって媚薬と同じだからな。まして俺達はさっき番ったばかりだ。身体の方が俺の”子種”を欲しがってるのさ」
ヘルベルトはライアンの窪みの入り口を両指で押し広げて、脈動を続ける自身のモノを軽く前後させて・・押し込む度に隙間から溢れ出て来る粘液を見つめて満足気に笑った。
「お前の穴見てたらムラっと来てまた勃って来た・・このまま続けようぜ」
そのまま体を起こしてライアンを腰の上に跨らせ、身体を激しく痙攣させるライアンを抱きしめた。
「気持ち良いか、そんなに」
「ウン・・これ、深いィ・・」
ヘルベルトはさっきつねり上げた、赤く腫れあがった胸の尖りを口に含んで舐め、軽く吸った。
「ンあ!いあっ、いやあぁ・・!」
ライアンは余程気持ち良かったのか・・またも絶頂を迎え、射精しつつ身体を何度も跳ねる様に痙攣させ果ててしまった。
肩を震わせ、か細く呼吸を繰り返す腕の中の恋人に・・・ヘルベルトは満足気に頬を摺り寄せ、何度もキスを繰り返した。
「愛してる、俺にはずっとお前だけだった。もう離しはしない・・」
その後、二人は翌朝まで部屋から出て来る事は無かった。
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