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信号が赤になり、ゆっくりとブレーキをかける。
後部座席では隼人と聡太が大声で騒いでいた。
女子3人はそんなことにも構わず人気アイドルグループの話で盛り上がっている。
流行りのJ–POPと後部座席の騒々しさを、開け放った窓から入り込む真夏の風が洗い流してくれる。
方向音痴の僕は道に迷わないよう、カーナビの音声案内に集中する。
それにしても、と僕は思った。
なぜこの6人でキャンプに行くことになったのか。
嬉しいやら腑に落ちないやらでなんだか複雑な気分である。
自分がどういう感情なのかも分からなくなり、ふっ、と短く息を吐いた。
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