人は何の為に生まれますか?少なくとも私自身は欲望に忠実に生きる為に生まれたんだと思います。

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人は何の為に生まれますか?少なくとも私自身は欲望に忠実に生きる為に生まれたんだと思います。

父親と娘だから、男と女の輪廻から外れると思ったら大間違いだし。 ましてや自分が犯される側に回るなんてお父さんは全然思わない人。 お父さんはどうしてお父さんなの?普通に出会えてればこんなことしなかったよ。 なあんてメランコリックな事を私は考えない。 今を生きる。 私、今を生きているから後悔はしない。 後悔なんてことをするなら、後悔したその五秒後にピストルで頭を撃ちぬいて死にます。 そんな覚悟があるのか、ないのか。でも多分ある。そんなつもりで生きてる。つもり。 【どうせ地獄に堕ちるから。】 私の名前は木之内美森。花も盛りの十七歳。世間じゃまあまあ美しいって言われるタイプ。髪はシャギーを入れてる。ちょっと茶髪。 私の制服は近所でも評判のいい福谷高等学校のセーラー服。しかも夏服は白のセーラー。それに赤のリボンタイ。標準装備で紺ソックスとローファー。なんかめちゃくちゃコスプレ感。 まあ、私についてはそんな所。 で、家族の話をする。家は二階建てのまあまあな一戸建て。動物はいない。両親と私。 お父さんは優しい。木ノ内守47歳。少し白髪交じりで眼鏡をかけていて、専業主夫なのにワイシャツを毎朝着る。ワイシャツと、ジーパン。それにお母さんから誕生日に貰った猫のイラストがまんべんなく描かれたエプロンを標準装備。我が父ながら専業主夫っぷりは完璧。何故なら主夫歴18年のベテランだからだ。お父さんは物腰柔らかく、近所の奥さんからはとても評判がいい。 お母さんはかっこいい。木ノ内美鈴42歳。バリバリのキャリアウーマンで出張、単身赴任当たり前。どちらかというと私はお母さんに似てる。お母さんは酔うとよくお父さんとの馴れ初めを私に聞かせる。 そんな時、お父さんは困った顔をする。 「美森ー!お母さんはねえ。一生独身だと思ってたのよー。仕事大好きだからねー!だけどねーお父さんを拾ってからお母さんはずっと、幸せ!」 「美鈴ちゃん……飲みすぎだよ……」 「守ー!愛してるぞ!私は一生、守を守る!なあんてな!あはははは!ああ……いいか、美森!男はなア、たまに飲み屋の路地裏のごみ箱に入ってたりするもんなんだよ!いいか、男が落ちてたら……拾え!私は守を拾ったから超ハッピーだ!だから、もてなくても人生諦めんなよ!」 「いや、お母さん。あたし結構もてるし。人生諦めてないし」 「そうか!いやー愛してるぞ!私の家族!マイファミリー!」 そう言ってお母さんは私達を抱きしめる。優しい物腰でお父さんが酔っぱらったお母さんを抱きかかえるその左手には小指がない。 「美森ちゃん。お母さんを寝かせてくるね」 お父さんが私に微笑むので、私はいつも良い子の顔で頷いてあげる。 「お父さんも大変だね」 「そんなことないさ。お母さんは外で僕達の為に頑張っているからね。多少家ではしゃいだって仕方ないさ」 「お父さん」 「うん?」 「お父さんの事、私は好き」 「ありがとうな、美森。僕も好きだよ」 お父さんは微笑む。 私も微笑む。
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