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0.『プロローグ』 ニャ!
ファーン、ファーン、ファーーン!
無我夢中だった。気が付いた時には飛び込んでた。足元のそいつを抱き抱えると、その場にしゃがみ込んだ。まさか僕にそんな勇気があるなんて、今でも信じられない。
キキッ、キキキキーッ!
タイヤが悲鳴を上げて教えてくれた。顔を上げるとハンドルを握ったおじさんと目が合った。おじさんは目と口を大きく開けて必死に何か喋ってるみたいだけど、全然分からなかった。何も聞こえなかった。
キキーッ!、、、
すぐにおじさんの顔は見えなくなって、今度は目の前に大きな壁ができた。その後に身体がフワリとしたんだ。頭がボーっとして眠くなった。
目を閉じる前に僕が最後に見たもの、それは腕の中で丸まってるキジトラ柄の『モフモフ』だった。
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