『もやもや』 Side オレ

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『もやもや』 Side オレ

あ、また。 あ、あれワザとだ。 もやもや もやもや 机に突っ伏して何とか見ないようにしていたのに。 どうしたって彼女たちの楽しそうな声が聞こえる。 「ね~、今日の放課後みんなで遊びに行こうよ~」 「3組の子たちも来るって言ってたし、久しぶりにいいじゃん」 腕の間から覗き見ると、あいつの腕に触れている女の子たちが見える。 そんな近くに寄らなくてもいいじゃん。 触らなくったっていいじゃん。 もやもや もやもや いつもなら何て事ないのに、今日は今にも雨が降りそうだからか、気圧の関係か、オレは情緒不安定らしい。 「最近ずっと付き合い悪いじゃん。今日ぐらいいいでしょ?」 長い髪をかき上げて、ワザとらしく身体を押し付けようとする女の子の姿が目に入った。 もう、見たくないっ 込み上げてきた涙がバレないように、もう一度腕の中に顔をうずめると、オレは何とか周りの音が聞こえないように更に顔をうずめる。 オレ、変なの。 こないだまで、こんなの何とも思わなかったのに。 「・・・ッ」 キーンコーン カーンコーン 思わず漏れた声は、ちょうど鳴った授業再開の鐘にかき消された。 何て答えたんだろ。今日あの子たちと遊ぶのかな・・・。 いつの間にか、もやもやから胸がきゅうっとなって締め付けられる気持ちに変わってる。 ふわっ ?? 突っ伏したままだったオレの頭を微かに撫でる感触。 机の横を通り過ぎるついでみたいに、さりげなくオレに触れていったあいつの手。 それだけで、ただそれだけなのに、オレの心臓がぎゅうっとなる。 「・・・ばぁか・・・」
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