『並んで歩くには』 Side 俺

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『並んで歩くには』 Side 俺

アイツと並んであるくと、ちっせぇ頭のつむじが見える。 確か15cm差だったか。 俺と話す時はちょっと顔を上に向けて、やや上目使いになる。 俺が顔を傾ければ、その差12cm。 キスするのに最適な身長差だったか? 目、でけぇな。 まつ毛バサバサ。女よりなげぇ。 口を開くと割と男らしくて。さっぱりとした物言いが気に入ってる。 それでも、目は口程に物を言うのか。 いつも何か言いたげな視線を向けてくる。 「ん?」 答えは勝手に解釈して。 俺はほんの少し顔を俯かせて、アイツの唇にキスをした。 「キス、しやすいな」 ちょっとビックリしたって感じで目を見開いたアイツに、何だか照れくさくなる。 それでも、誘うようにちょっとだけ開いたままの唇が俺を誘っているようで、俺はもう一度キスを落とす。 さっきよりもゆっくり。アイツにも分かるように。 「な、キス・・・しやすいよな」
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