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「おい。楓季、」
『どした?りず』
「…その……」
スマホを見ていた目を俺に向けて、少し恥ずかしそうに話す。
「…えと、俺達、つ、きあってん…だよな?」
予想外すぎる質問に、思わず戸惑いを隠せない。
というか、それを言っているどころじゃなくなりそうだ。
『…あ、当たり前、じゃん…急にどしたの』
「いや…ちゃんと理由があって…」
涼珠は、見ていたスマホの画面を見せた。
そこには、男と男がキスしているイラストが載っていた。
「これ…”ぼーいずらぶ”っていうらしいな…」
照れくさそうに笑う涼珠。なんだか落ち着いてくる。
『そうだよ、知らなかったの??』
「うん。キョーミとか、無いし。」
鈍感な涼珠に、少しだけ、意地悪がしたくなった。
『ふぅん…でも俺ら、すでに”BL”じゃん。』
「び、ビーエル?」
きょとんとした顔でオウム返しされると、笑うしかなくなる。
『っはは…ボーイズラブを略しただけだよ…』
「あ…そっか///」
恥ずかしいのか、涼珠はまたスマホに目を落として黙り込んだ。
そんな姿見てしまうと、攻めこんでしまうのが俺。
『…ふ、かわい…♡』
ふーっ、涼珠の耳元に息を吹きかける。体が少し、ビクッとなった。
「や、やめろよ…//」
『へへ…♡』
また息をかけようとしたけど、失敗。
「あ!…お前さ、」
『ん?』
「……ゲイ、なの?」
ゲイ。同性愛の人々のこと。日本では特に男性同性愛者を指す場合が多いといわれている。しかし、俺はゲイでは無い。
『なんだろ…俺、男女関係なく彼女作れるかもしれない。』
「え、?」
『…率直に言って…俺は涼珠が好きだから。』
「あ…うん」
『男とか、女とか、性別はどうでも良くて。涼珠の可愛い所と格好良い所とか天然なとこ、素直な所、とか。内面しか見てないからさ…だから……』
ふと、涼珠の顔を見てみると…
『……顔、まっかっかじゃん』
本当に恥ずかしくなってるその顔が、とてつもなく可愛くて。
耳まで真っ赤を超えて、首まで真っ赤なのが、自分の言った言葉に反応している、と分かると、すごく嬉しかった。
『…でも、逆にちょーずりぃよなぁ…♡』
「ひっ…///」
可愛すぎてずるいのは罪。そんな事に気づいてしまえば、更に意地悪したくなってしまう。首元に軽く、口付けするだけで反応してしまうんだから
「お前もっ…かっこよすぎて…ずるぃぞ…///」
少し息切れしながら、必死な目で訴えてくる。
『それ…マジでゆってんの……?』
コクリ。頷くと同時に、目から涙がこぼれていた。
「ちょっとキスされたぐらいなのに…すっげえドキドキすっし、
それなのに///……いじわるまでされたら、おれ…しんぞぅもたないよ…//////」
余裕のない顔。こんな表情、俺だけのもの。
『…いいじゃん。
…もっとココ(心臓)ん中、俺でキュンキュンさせて…?♡』
自分で溢れ出てくるまで、いっぱいに満たされた身体を委ねられる。
手と手が重なった。
「…かえでぇ…、もぅ、くるしいよぉ…
♡////」
でも、幸せそうだ。
『…涼珠のそういうとこも、俺は好きだよ』
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