東野君のほしいもの<番外編>

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 佐奈は俺を好きで、信じてくれている。  でも、好きだからこそ何もかもが気になって仕方がない。  穏やかで優しい彼女だけれど、こんなにも手の平は熱く、俺を求めている。  馴れ合いじゃない、緊張感があるからこそ求める気持ちが強くなる。 「不思議の正体は、恋心だ」 「えっ」  肩を抱き寄せると、そっと見上げる恋人に微笑み、キスをした。 「東野君」 「俺の欲しいもの、わかるよな」 「あ、あの……」  恋をしたから、こんなにも重なり合い、分かり合える。  でも、この胸の昂りは、好きでしょうがなくて、求める想いがあるからこそ止まらない。  腰に腕をまわし、もう遠慮しないで俺のものにする。  君の恋を、身体と心で実感する、特別な夜なんだ。 「わからなければ、教えてあげるよ」  灯りを消して、柔らかな胸に顔を埋めた。    <終>
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