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托卵女神
酷く切羽詰まった勘解由小路は駆け足で始めた。
「お前はエルズリーだ!ブードゥーの悪霊の一匹で、ワイドなくせに三人夫がいるドレッドフルなビッチだ!つまりエラル小屋行きだ!」
「それは知っている。ダンバラ、アグウェ、オグンの妻だ。日本の刑法ですら有り得ん。肥満体なのは何故だ?」
島原が博学を見せ、エルズリーはガチキレした。
「肥満体だとおおおおおう?!っていうかそもそもワイドって何だああああああああああ?!」
「この馬鹿はあれだ!ちょっと待て!」
「私の足元にションベンすなあああああああああ!何様けええええお前はああああああああああ?!」
「ハデス様だ文句あるか馬鹿!片麻痺障害負ってると下が弛くなる!お前はその辺に立ってる木と変わらん!うはははは!」
こいつは真理を得ているようだが、とどのつまり最低の酔っ払いだった。
「要するにだな!お前等の嫁は最初からいなかった!この馬鹿の化身と考えて差し支えない!勿論嫁のパーソナルデータは把握してるから安心しろ!」
「おいいいいいいいいいい!俺のハナちゃんがこの豚みてえなババアだとおおおう?!お前解ってんのか?!混元傘ぶち込んでやる!」
「ああああああああああ!俺のエメフラまでもが?!そう言えばマコトさんはどうした?!」
「マコマコはちゃんとここにいるんだ!何故かと言えばマコマコはプロセルピナだからな!解っててこのワイドっ腹に乗っかっていたんだ!最初はいないと思ったが、ミンテーのクダリで確信犯だと解った!要するにエルズリーとマコマコは共犯だった!お前えええええ!エルズリーの分際でマコマコを!だから絶対許さん!」
よく解らない理由で勘解由小路はむっちゃ怒っていた。
「怒ってるハデスさみゃ素敵♡」
プロセルピナは全然悪びれてなかった。
「ふざけんな!プロセルピナはまあいい!何でプロセルピナはいいのに私は駄目なんけえ?!おかしいだなお前等?!」
「おかしかないってだから!お前!3人も夫いるのに妊娠してるな神なのに!誰の子か解らんので俺達の誰かを父親にするつもりだったろう!下手すりゃイーサンまで!だからな!ここに2つの世界最強の酔っ払いが4人いるんだがな?!お前いいのか?!酷い死に方するぞ?!」
「う、う、うがあああああああああ!だったらどうなんのけえええええええ?!纏めて死に腐れえええええええええええ!」
エルズリーは跳躍して襲いかかり、
纏めてボコボコにされた。
「やめてえええええええええ!お腹には赤ちゃんがいるのよ!確か3400人目くらいの!妊婦殴るなんて最低よ!」
「で?ホントの父親は誰だ?」
「解んないからあんた等の誰かを父親にしようと。ひえええええええええええええ?!」
蛇が、エルズリーを締め上げていた。
「ああああああああああ!何かダンバラっぽい!」
ダンバラは蛇神だった。
「貴女。うちの夫に何を?貴女のエロオーラに便乗し、ハデスさみゃの赤ちゃんと思ったのに。まさか、神のくせに簡単に妊娠し、あまつさえ托卵とは。3400人?私がたった7人なのに。この蛇の目を見ろ」
「いい嫌ああああああああああああ!ホントに許してええええええええ!もうしないからあああああ!」
「もういいさっさと帰れお前は!みんな!こいつに小便引っ掛けろ!それか顔面にパンチな!」
「どっちも嫌ああああああああああ!」
結局、助けに来た夫3人が酔っ払い達に土下座し、不義の子を孕んだエルズリーをボコると宣言し、ブードゥーの神達は帰り、勘解由小路は真琴に捕まった。
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