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通常、『蔵』では専門の担当者が石に触れて外観を確認し、場合によっては火にくべたり、水中に入れたりしてその変化をチェックすることで、それが何であるかを判別する。より詳しい石の性能の把握が必要な場合は、魔導品開発部門でも扱っているいるような、魔力の波を拡大して、その特性を調べるための『試しの石』を使うが、これは国宝にあたり、いつでも『蔵』に置いておける代物ではなかった。
「試しの石をご用意します」
ルチルは、またガーネットに助けてもらう算段を頭の中でしながら返事する。けれど、バンデットは取り合わない。
「そんな大それたものがなくとも、巷では石の判別ができるようになっているんですよ? 専門家を名乗りながら、これしきの情報も知らないなんて、王城の資材部もたかがしれてますなぁ」
「では、バンデット様はその計測器をお持ちなのですか?」
「何を当たり前のことを。店で確かに計測してきた結果、本日持ってきた石は『コンゴストン』を含むものだということが分かっている」
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