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「ニュースは今頃お前の経歴でも報道されてんじゃないか。SNSとかだと『まだ若いのに』とか『今ならやり直せる』とか辺り言ってそうだな」 「報道されたってのが大事なんだよ。やり直せる、とかは余計なお世話って感じだけど」 「今は寂しくないのか」 「寂しいよ。俺の人生に寂しくない時間なんて、今まであったかなぁ」 しみじみと言う少年の目は湿っていた。泣かないように我慢しているらしかった。 「泣けば」 「え?」 「泣けば?」 「………」 少年は困惑しているようだ。 「自ら立てこもった犯人が人質になってる警察官に泣きつくのって、ダサくない?あ、隙を見て逮捕する感じ?」 そう言いながら、目は濡れて声は震えている。 「逮捕するかどうかはお前の意思と上からの指示による。かっこいいとか悪いとかは関係ない。涙を我慢する方がよくない」 「………!」 「お前のその行き場のない感情を、立てこもり事件を起こさせるほどの寂しさを、今俺が受け止めてやらないで誰が受け止めるんだ」 少年の顔がぐしゃりと歪んだ。
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