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少年は顔を綻ばせた。
「警察の人は話を聞いてくれないもんだと思ってた。でもお兄さんは聞いてくれた。…嬉しかった。惚れちゃったかも~」
「あっそ………」
「えっ流さないでよ。あ、もしかしてお兄さん恋人いるパターン?」
「いない」
しまった、撥ね付けるような言い方をしてしまった。
「俺の身の心配をする奴はいない。家で帰りを待ってくれる人も、俺を愛してくれる人も。俺はいつだって独りだ」
「そっか」
少年は笑った。俺が今までの事件よりも少年に寄り添いたいと思ったのは、自分と似たものを感じたからか。
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