3-3 信じられると、ようやく思えたのに……/ありのままでいて

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(薬品の……臭い?) 気がつけば、鼻にツンとくる保健室のような臭いがした。 自分が仰向きで寝ているのは、すぐに分かった。 周囲を見渡すと、真っ白い壁に天井、カーテン、そして明らかに病院の診察室だと分かる、PCモニターや医療器具が置かれたデスクがあった。 (病院?いつの間に……) 状況を把握するために体を起こそうとした時、腕に違和感があった。 見てみると、右腕が点滴に繋がれていた。 (一体……何が起きた?) ぽたぽたと落ちていく点滴の雫を見ながら、軽くパニックになっていると 「あー……目、覚めたんすね」 カーテン裏から、白いシャツとズボンがよく似合う、清潔感ある見知らぬ男の子が顔を出した。 (この子……誰!?) 年齢は20代……くらいだろうか。 ネームプレートが左胸にあったので読んでみる。 名前は吉川悠太。 職業は看護師。 そして、病院名のところには……氷室診療所と書かれていた。
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