1-3 人生最後のデートだと思っていたのに/必要とされたかった

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今考えてみると、1番見た目に気遣った時期は大学生時代。 お小遣いではなく、アルバイトという形で自分が好きに使えるお金を手に入れた私は、それまでは見向きもできなかったファッション雑誌を手にするようになる。 デパートで1個4,000円もするリップや30,000円のフレアワンピースは、私を普通の女の子にしてくれると思っていた。 もちろん雑誌に載るモデルや女優のようになれるとは思ってはいない。 せめて街中でよく見かける「ちょっとおしゃれな女の子」くらいにはなりたいと思った。 当時買っていた服のサイズは、見栄をはってのMサイズ。 服によってはキツくて、1回で着るのをやめてしまったものもあったし、やぶってしまったものまであった。1着50,000円でそれをやった時には、さすがに泣いた。 そんな感じで、普通のおしゃれ女子を目指してお金を注ぎ込んだ私は、普通の女子らしく……を意識したような就職活動を始めた。 しかし、その就職活動の時こそ、「それ」が顕著に現れた。
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