ダイニングナーシー

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「おはようございます」と聞こえた。 それは勿論天井裏からの声だ。 「昨日はどうも」と答えた。 後はもう無視でいいと思っていたのに、「抜いた?」って聞こえて溜息が出た。 「抜いてません」 「え?あれを聞いてて抜いてないの?我慢は体に良くないよ?」 「我慢もしてません」 「そんな筈は無いだろう、出来るだけ詳細に実況したつもりだけど…まさか足りなかったかな?」 何故、何の為に実況などするのだ。 はっきり言って迷惑だ。 変な声と変な音を聞かされるだけでも辟易するのに実況などと言われると、つまりは遠慮するどころかわざと大声を上げてたって事だろう。 「意味がわかりません」 「言い直そうか?ああ、そうか最初やってた事はわかんないよね、ごめんね実力不足で、あれはね…」 「すいません、聞きたくありません、詳細は結構です、俺は学校があるからもう出ます、そこには水道が無いんでしょう、昨日のままならお風呂に行くなり何なりした方がいいんじゃ無いですか?」 何も聞きたく無いのは本当だし、時間がないのも本当だった。 天井裏を無視で靴を履いていると、まだ普通に話している声が聞こえていたがそのままアパートを出た。
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