七夕の日に

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カラン、コロン…。 慣れない下駄で普段はほとんど行かない、近くの神社へ向かう。 ざわざわと人の声が聞こえてくる。 いつも学校の帰りに横を通るときはすっからかんなのに、 こういう時は人いっぱい来てるんだな。 そんなことを思いながら、階段をのぼって、屋台を通り抜けてとりあえず まいることにした。 ジャラン、ジャラン、ジャラン。 鈴を鳴らして、二礼二拍手、そしてお願いをする。 「どうか何事もなく健康に過ごしていけますように。」 「おもしろくないのぅ。」 どこからか声がする。 周りを見渡すが近くには誰もいない。 こんなに音であふれてるのに、まるで耳元でささやかれたように やけにはっきりと誰かの声が聞こえた。 ぞっとした。 でも、何事もなく過ごせるってすごいことだし、健康はだいじだし、別にいいじゃん。まさか神様が言ったわけじゃないよね!
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