七夕トラベル

あの人に会う

「っそんなことないわ！それだけ真剣に将来のことを考えているってことよ。
　それに、その世界に生まれたってことは何かすべきことがあるってことよ。

　必要でない人なんて一人もいないし、その仕事で成功することや、人とうま
　くやることだけが重要ではないの。
　そこにいるだけで誰かの助けになっているってこともあるし、思いがけない
　ことで人に力を与えられるかもしれない。

　もし、そういうことがあなたの苦手分野だとしたら、他の人にはない得意分
　野があなたにはあるのかもしれないわ。そう思うとわくわくしてこない？

　それにね、あなたを必要とするパートナーがどこかにいるかもしれない！
　私もあの人に出会うまでは仕事がすべて、神々のために服をつくることだけ
　が私の使命なんだって思っていたの。

　だから、気を落とさず、難しく考えず、今やりたいことをやっていたらいい
　のよ。自分を取り繕って苦しんだりしなくていいの。だって、本当のあなた
　にこそ託されたことがあるんだから！」

「…っ！」

天の人の言葉、声だからだろうか。それとも、心のどこかで誰かに求めていたことだったからだろうか。
言ってくれた言葉のひとつひとつが胸の奥まで深くしみこんでいった。
涙が止まらなくなってしまっていた。