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指輪
しばらくして、織姫が何か小さな箱を持って戻って来た。
「これをあなたにあげるわ。私が紡いで作ったの。開けてみて。」
パカッと箱を開けると、シンプルだがとても綺麗な指輪があった。
「指輪…。これを私に…、いいんですか?」
「ぜひつけて!そして不安になった時はそれを見て
私が話したことを思いだしてほしいの。」
「あ、ありがとうございますっ!」
「いいのよ。」
「それじゃあ、そろそろここを出るか。兄上に会うとめんどくさいからの。」
するとまた、天帝の弟の足元にある雲が激しく渦を巻きだした。
「さようなら。あ、おじさんはまた来てくださいね。
旅はほどほどにしてください。」
「わかった、わかった。」
「ありがとうございました。えっと…、織姫さん。」
そう言っていると、雲はやがて大きくなり、私たちを包み込んだ。
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