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「俺もおまえの主人のタカも、この店を気に入っているのになあ。滅べとはどういうことか説明してもらおうじゃないか。」
「ギギ・・・ギェー・・・つ、つい口が過ぎましてございまする、お許しくださいませ、宇迦之御魂神様・・・」
「ウカさん、いらっしゃい。」
いつのように着流し姿のウカさんの登場だ。
ウカさんはタカさんと仲がいい。
しかも非常に力のある神様だ。
いくら遣える主ではないとはいえ、反抗できるはずもなく。
ウカさんが手を離すと、意気消沈したように止まり木でうなだれてしまった。
「本当にどれくらい経てば泉実に失礼なことを言わなくなるんだろうね。泉実、ヤタの代わりに俺のところの狐を門番としていつでも貸すよ?」
「ありがとうございます。ヤタはしっかり働いてくれるので大丈夫ですよ。」
誰かが来れば、鳴いて知らせてはくれるんだ。
人外であれば言葉で、人間であれば本当のカラスのように鳴いて。
「お二人ともどうぞ。」
最初に店に入るのは決まってミハイさん。
日本の神様に対する遠慮ゼロ。
いつもの一番奥の席に腰を下ろした。
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